メトクロプラミド(1964年) 制吐薬革命の旗手
すべては副作用から始まった
1950年代、精神科病棟で不思議な現象が観察された。統合失調症治療薬クロルプロマジンを服用する患者が、なぜか吐き気を訴えなくなったのだ。
「クロルプロマジンは制吐作用があるが、錐体外路症状が強すぎる。
精神作用を除いて、制吐作用だけ残せないか?」
画期的な発見:二重作用機序
当初(1964年):ドパミンD2受容体拮抗による制吐作用のみと考えられていた
後の発見(1990年代):5-HT4受容体刺激作用も持つことが判明!
→ この「一粒で二度おいしい」特性が、単なる制吐薬から「消化管運動改善薬」というカテゴリーの創始者へと押し上げた